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阪大はリベラルな大学なの? 広報に取材してきました!

図1

Edited by  蒲生由紀子

IDかえたけど名刺に書いてたの思い出してもどしました泣 @ykringum

阪大しか成り得ない究極の大学像とは何か

こんなことを聞いたら、どう思うだろうか。おそらく、「何を大げさな」と思う阪大生が大半だろう。しかし、こんなことについて日々本気で考えをめぐらせている人々もいるのだ。

阪大生にも知られていない内部事情から、世間一般にも通用する広報・デザインの知識まで、大阪大学広報集団「クリエイティブユニット」の伊藤雄一先生らへの取材を通して、3回に分けた連載で明らかにしていく。

 

第2回 【阪大グッズ】宇宙を支配する数式リング、阪大珈琲ができるまで

第3回 シンボルがない阪大。アイデンティティはどこ???(仮)

 

クリエイティブユニットとは?

こんにちは伊藤先生!今回はクリエイティブユニットの事務所にお邪魔しています。以前もOUlifeの取材を受けられていましたが(【期末直前!!】あの”単位スコップ”とは!?)まず、組織の概要を教えてください。

クリエイティブユニット(以下、ユニット)は、多くはデザインの観点から阪大のブランディングをマネジメントする、執行部直属の組織です。僕はトータルディレクターとして、アートディレクションやコンサルをやったりしています。

で、僕の同僚として2人のデザイナーと1人の映像ディレクター、そして英訳のための英語エディタが2人います。デザイナーはウェブとか紙とかプロダクトをデザインしてもらってます。

 

ちなみに、特徴的な感性の写真をアップする阪大公式Instagram(@osakauniversity)も彼らによるものだ。

 

映像ディレクターは阪大公式YouTubeの管理とか、そこに載せる映像の作成とか。英語エディタは公式ウェブの英訳やね。みんな知ってるかどうか分からないけど、阪大のウェブページって基本全てのページが日英一対一対応してるんです。これは彼らが日々日本語ページを更新される度にすぐに英訳するからなせる技なんだよね。

他の大学の広報の人が、鳥インフルエンザ騒ぎがあったときに専門用語をどう英訳してるか、うちを参考にしてるって話もあったな。
S__5963841(クリエイティブユニットのリーダーっぽく加工してみた。)

 

本来、事務というのは縦割り意識の強い組織です。それが強いと、領分を超えて仕事はしにくいんですね。ここではこの仕事はできないけど、あそこではできる、または、あの領分はをこちらの仕事でないので、あっちに持って行ってというように。

 

 担当がきっちり決まるなど良い面もあるが、フレキシブルではない。そこでユニットが事務組織に横串を通す役割を担うと。

 

たとえば入試の広報をやろうとしても、入試課なのか?広報課なのか?となったとき、橋渡しする役割を担ってます。

また、事務方が作るポスターやリーフレットをユニットがチェックすることによって、大学として統一されたデザインとなって、ユニバーシティ・アイデンティティを構築できるというメリットもあるね。

ユニットは要は教員組織なんですが、他大学には存在しない阪大独自の組織です。

 

 

とにかく伊藤先生は阪大のことを話し出すと止まらない。前回の記事でもOUlife取材陣は気圧されていたのが文章から読み取れる。

 

今までやった主な広報は?

WEBサービス関係(受験生応援サイト、阪大公式サイト)かなあ。マイハンダイは僕の字やで。

えっ、そうだったんですか。

あれになるまで200個くらい書いたけどね。

図1

200個の中から選ばれた「マイ ハンダイ」。

 

 

阪大のモットーは、「地域に生き世界に伸びる」でしたよね。最も身近なものでいうと、石橋商店街とのさまざまな取り組みです。ユニットなら、こうしたモットーも重視していると思うのですが、現在大阪のためにしている活動や、これからしたいことを教えてください。

 

阪大としてはグランフロントのナレッジキャピタルと連携したり、中之島の再開発(文化、科学の共創拠点)に加わったりしてます。うちはそこでのコンセプト作りに若干携わったり。

 

これから阪大が目指すべきは、もっとイノベーティブな大学を目指すということですね。大阪の全てのリソースを使って、世界を変える。

まさに阪大のコンセプト通りだし、こうなると阪大は大阪という地域に根ざした究極の地方大学になるということで、東大や京大とは一線を画す存在になると思う。

 

イノベーティブな取り組みとして、学内ではどんな実績が挙げられるでしょうか?

 みんなが図書館や食堂で見ているデジタルサイネージシステムOPUS(学内至る所に設置され、阪大関連の映像を流しているテレビ)、あれもパナソニックから寄付してもらってウチが始めた。14台からスタートして、今は豊中、吹田、箕面キャンパスに約30台設置してあります。学生視聴率は30%にもなってるんやで。

 

 

言われてみるまで気づかなかったが、確かに、OPUSは他の大学にない。それに、食堂でご飯を食べていると、なんとなく見てしまう。少し地味だ…しかし、画期的ではあるのだ。

※視聴率の算出方法は秘密とのことです。

 

 

ハンダイ映像祭もユニットが全面的に協力してる。今は学生たちが運営してくれてるけどね。

 

映像祭2017

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンダイ映像祭は、今まで数々の名(迷)作を生み出してきた。過去の作品はYouTubeから見ることができる。実は現役生でなくとも、卒業生も応募できる。阪大生がチームに1人いれば、他大生でも応募可能だ。

 

 

 

 

 

最近の阪大

結構色々されていますね。ユニットができてから、阪大は変わったと思いますか?

最近の阪大生は元気になったと思うよ。大阪外国語大学との合併とか副次的な要因もあると思うけどね。

最近の阪大生が元気というのは、具体的にどういうところですか?

こういうところじゃない?(記者を指しながら)取材に来たりとか。

阪大生は外部でも色んなところでも活躍してるじゃない。地味地味って言われてたときと比べたら、女の子も多くて華やかになったし。トビタテ留学JAPANに阪大から行った子だって女の子が圧倒的に多いからね。

 

私はともかく、外国語学部の力はあるかもしれませんね。外語は、色々な意味でぶっ飛んだ人が多い。阪大は旧帝大の中で1番女子率が高いんでしたっけ。

 

女子率どころか、女子学生数では国立大学で日本一なんですよ。女子率はお茶女と奈良女には負けるけど(笑)

 

16000人いて6000人が女子40%弱ですよ。ついでに言うと学生数も日本一

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

そうなんですか?!工学部など吹田民はさぞびっくりでしょうね

大学に女子学生がいることのメリットって具体的に何でしょうか?

 

優秀な男子が入ってくるよね。

 

そう来ましたか。女の子目当てですか?

目当てっていうとゲスいけど。アメリカの大学では、女子の点を上げるアファーマティブ・アクションも導入されているから、日本でもやれば?とは思うんやけどな。

 

 

「女子が少ない」と嘆いている工学部勢は多いが、理系でも阪大内で彼女がいる人も多いのは確かだ。理学部の生物科だと、クラスによっては女子の方が人数が多かったりする。

 

 

 

 

スライド1のコピー

 

しかし伊藤先生の経歴を見ると、ずっと「大阪大学」が並ぶ。これは阪大愛が強いのもうなずける。ちなみに、写真の加工は私がしたのではない。阪大のMr.クリエイティブだけあって、もちろんご自分の写真も、ブランディングの観点から気を配っていらっしゃるのだ。

 

 

阪大のロゴ。大学ロゴ比較

ちなみに阪大のロゴ作ったのウチだからね。

あのイチョウですか?

イチョウは田中一光さんというデザイナー。でも文字がなかったんだよ。まぁロゴってシンボルマークとテキスト合わせてロゴだから。

スライド1

マークの横のロゴタイプ(ロゴの文字の部分)をクリエイティブ・ユニットが作ったんですね。工夫したところはどこですか?

既存のフォントではなく独自のフォントを使ったのと、シンボルマークがシンプルすぎるから、ロゴタイプで阪大の未来感、イノベーティブ感というか、若さ溢れる明るい感じを出すようにしました。だからゴシック体を選んで、その文字を繋げて・・・

 

 

 

未来感、イノベーティブ感、明るい

阪大がァ????

 

 

あと阪大はシンボルマーク自体がシンプルで古い感じではないから、ゴシックかなと。

 

まあ確かに、ゴシック体は研究において実学に強いと言われる阪大とはイメージが合っているかもしれませんね。

 

 

ちなみに、阪大のルーツを踏まえると

東大京大は、国から言われて作ったというトップダウン型のルーツを持っている。しかし阪大はボトムアップ型で、町の人が寄付金を集めて当時の文部省にかけ合った。

阪大は保守的な面もあるが、その歴史も踏まえると、女子学生が多いというのを含めてリベラルなのかもしれない、という見方もできる。

 

 

 

そういえば、他の大学のロゴはどうなっているんでしょう。(Google画像検索をはじめる)

 

東大京大は明朝体を使ってて、結構トラディショナルな感じがあるね。阪大も明朝のロゴは用意してるんだけど、最近はほぼ使わない。

oulife

ロゴにそういうのが表れてるって面白いですね!こういうのが大学のイメージ、ひいては中身も左右するのかもしれない。東北大はロゴタイプがちょっと似ている気がします。大学の類似性も含まれているのでしょうか。なぜ旧帝大の中で阪大と東北大だけゴシックだと思いますか?

 

東北大と考え方は似てるのかもしれない(笑)やっぱり古いものを大事にしつつ、新しいものを・・・?

でも、ロゴタイプをきちんと定義するっていう考えがどこまで大学において浸透しているんだろう。意外に浸透していないところもあったりするから一概にはいえないね。

 

ちなみに筆者、東北大のロゴを使用するにあたり、向こうの広報担当の方の許可を得ることに成功した。東北大学のロゴは、Creativity」「Global」「Traditionをキーコンセプトに、仙台を象徴する植物、「萩」をモチーフとし、世界に大きく広がっていく動きがデザインされている。

公式カラーは紫と黒。「紫」は知性と創造力を、「黒」は勤勉と実践力を表現しているそうだ。(東北大学学章・ロゴマーク・スクールカラーより)

こうして、きちんと考えて設計されている。確かに、どことなく阪大と考え方が似ている。素朴で真面目そうな東北大のカラーとも合う気もする。両者を並べてみて、阪大の方が文字が大きいのも、ユニットの「主張していきたさ」が出ているような…など、想像が拡がる。

 

以下の画像が、阪大のシンボルマークの由来だ。

 

ou1

 

色の由来。

 

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私たちが気づかないうちに、阪大=青のイメージがどこかにある。OWL(https://owl.osaka-u.ac.jp)にて、上の画像を含むデザインガイドラインは詳しく参照できる。阪大のロゴを使いたいとか、デザインマニアの阪大生は要チェックだ。

 

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ユニットがデザインガイドラインを作るとき、田中一光氏が定めた「青」の色見本が日本では手に入らず、アメリカから取り寄せたそうだ。サポートカラーの黄色と黒をまじえて、阪大グッズは作られる。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

よく見かけるこのポスターもユニット作成。ありとあらゆるところに伊藤先生の魔の手仕掛けが凝らされている・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

スライド1

Live Locally, Grow Globally…” これ最高ちゃうか?」と伊藤先生は繰り返す。阪大愛がすさまじい。

 

 

 

ふと、手元を見てみると

ou4

 

あ、学位記をはじめ、さまざまな阪大グッズだ!取材のために用意されている!用意周到だ!

 

先生、これらもクリエイティブユニットが・・・???

 

ふっふっふ、これはね・・・

 

 

次回へ続く!!!

 

✳︎interviewee:Yuichi ITOH(伊藤雄一)/interviewer:Yukiko Gamo(蒲生由紀子)✳︎

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